ひとりごはん

「ひとりごはん」「ひとり飯」といった言葉が当たり前に使われるようになってきています。それだけひとりで食事をする人が増えているということかもしれません。寂しい言い方をすると「孤食」などともいわれるひとりごはんについて考えてみます。
 「ひとりごはん」がどのくらい増えているかというと、ある調査では既婚女性が平日に家族と朝食を食べる割合が、ひとりで食べる割合を下回ったという結果が出ました。女性の社会進出などが原因ではないかと考えられています。
 孤食の死亡リスクを調べた調査もあります。
同居者のいる65歳以上を調べたところ、孤食の死亡リスクは一緒に食べるのに比べ、男性で1.5倍、女性で1.2倍となったそうです。
特に男性は一人になると栄養のバランスが悪くなっているのではないかと推測されています。
 「ひとり」を解消するためにいくつかの試みがありますので紹介します。
鏡の前で自分の姿を映して食事をすると、ただの壁に向かって食事をするより食欲が増すという結果がでたそうです。
また電子機器を使って離れた家族とテレビ電話を使って会話しながら食事をした方が、満足感が高まる人がいたそうです。このテレビ会食は若者たちの間でもしている人たちがいるようです。
 一方で、相手がいないから仕方なく「ひとり飯」になるのではなく、好んで「ひとり飯」を楽しむ傾向もあります。
ひとりでレストランや食堂に入り、好きなものを好きなだけ食べるという漫画やドラマが人気を呼んでいることもあって、ひとりで外食することに以前より抵抗を感じなくなったと答える女性が増えていたり、「ひとり飯」をしている人を見かけても「寂しそう」「孤独」と感じない人が8割を超えているという調査の結果はその表れです。
気を遣わずに自分のペースで食事ができるという点に魅力があるようです。急いでいるときにほかの人を急かして負担を強いることもないですし、ゆっくりと時間が取れるときは自分のことを振り返る貴重な時間になるという意見もあります。

 好むと好まざるにかかわらず、ひとりになったときに楽しく食事をできる方法をたくさん身につけることで、心身の健康を得て、長寿につながるかもしれません。