むし歯の治療の流れ

 歯が痛む、歯に黒い部分ができた、など何らかの異常を感じて、歯科医院に行くこともあると思います。そんなとき、治療にどのくらいの期間かかるかは、なかなかわかりません。おおまかなの治療の流れを知っておくと不安も少しは和らぎます。今回は虫歯の場合を見てみます。
 むし歯の場合、その進行具合で治療方法や期間が変わってきます。
まずはエナメル質の表面部分のみが侵されている場合です。ごく初期のむし歯ですので、ほとんど削る必要はなく脱灰と再石灰化のサイクルのなかで修復されることもあります。
もう少しむし歯が進行して、エナメル質の内部まで進んでいる場合です。この段階ではむし歯部分を削ってから、詰め物をするという処置になります。ここまでの段階であれば、多くは1回の治療で済むことが多いと思われます。
さらに進んで、むし歯の範囲が大きくなってしまうと、エナメル質を超えて象牙質まで及んできます。小さめな穴のうちは、詰め物で間に合いますが、大きめの穴の場合、直接詰めることは難しく、型をとってその型に石膏を流し込んで歯の模型を作製します。それをもとに金属などで詰め物やかぶせ物を作り、それを歯に詰めるという治療になります。治療期間・回数も、詰め物・かぶせ物を製作する時間が必要となりますし、1回では終わらず、2~3回はかかることになります。
神経に達するほど深いむし歯となってしまうと、かなり痛みが強く感じられるようになり、治療も難しくなります。神経を取る根管治療を行う必要がある場合がありますし、大きく崩壊した歯質を補強するため、土台となる基礎を作らなくてはならないこともあります。根管治療では再感染しないよう歯髄の入っている穴を徹底的にきれいにして、薬剤などを詰めるという処置となり、さらに土台作りも合わせると数か月といった長期間の治療となることもあります。

ここまで、進行程度によって、大まかな流れと治療期間を見てきました。当然と言えば当然ですが、むし歯に限らず早めに発見して早めに治療を受ければ、その分、痛みも少なく、治療期間・費用なども短く安く抑えられることをあらためて認識いただければと思います。