歯とビタミン

 我々の健康に欠かせない栄養素としてビタミンがあります。それぞれの種類によって多様な役割を果たしていますが、そのなかで歯の健康に貢献してくれているビタミンもあります。
まず挙げられるのは、ビタミンCです。
ビタミンCにはコラーゲンの合成・抗ストレス作用・抗酸化作用・副腎皮質ホルモンの合成などの働きがあります。
歯にとって関連が深いのは、コラーゲンの合成です。ビタミンCが不足すると歯茎の細胞を構成している毛細血管が弱まり、「コラーゲン線維」が破壊され、歯茎の炎症や出血を引き起こし、進行すると歯周病となります。
予防としてビタミンCを適度に摂取することで歯茎の健康を保ちます。また、歯周病になってしまった歯茎でも「コラーゲン合成促進効果」によって、 壊れたコラーゲン繊維の再生を促してくれます。さらに抗酸化作用による口内炎・歯周病の予防効果も期待できます。ビタミンCは温度や湿度・光や紫外線の影響を受けやすく、大変壊れやすく不安定です。1日を通して食事ごとに適量を摂取するのがよいでしょう。ビタミンC入りの歯磨き剤もありますので、利用するのもよいかもしれません。
ビタミンAとビタミンDは、歯を作るのに重要な役割を果たします。ビタミンAは、歯のエナメル質を作ります。ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨にカルシウムが沈着するのをサポートすることで丈夫な骨や歯の形成に働きます。
ビタミンAは、βカロチンを摂ることで体内でビタミンAに変換されます。βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれます。ビタミンDは、動物性の食品に多く含まれますが、日光を浴びると私たちの体内でもある程度つくり出せるビタミンです。
ビタミンB群は、口内炎を緩和してくれます。ビタミンB2は糖質、脂質、たんぱく質をエネルギーに変え、皮膚や粘膜の成長を促進する働きがあります。
ビタミンB6は、免疫のビタミンといわれたんぱく質の分解・合成を助け、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。
ビタミンB2は、レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品、葉菜類など、ビタミンB6は、広く各種食品に含まれていますが、かつお、まぐろなどの魚類、レバー、肉、バナナなどに多く含まれています。

ビタミンやその他の栄養素はバランスよく摂ることが大切なので、日ごろの食生活では偏った食事にならないよう意識して、健康な毎日を送りましょう。